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コラム

1200年前から続く宗教都市を巡る旅。比叡山延暦寺東塔区域おすすめスポット7選!

1200年前から続く宗教都市を巡る旅。比叡山延暦寺東塔区域おすすめスポット7選!
【滋賀県 比叡山延暦寺 東塔区域】

比叡山延暦寺とは3つのエリア(東塔・西塔・横川)に集まる約150のお寺やお堂を総称する名前です。だからとても広い。

初めて訪れる方はまず、東塔(とうどう)区域に行くのがおすすめです。

なぜなら東塔は、延暦寺を開いた最澄が初めて居を構えた場所。敷地は広く、歩道も整っています。様々な大きさの寺院も勢揃い。また、ご利益があるお堂が多く、仏教の教科書を読むような経験ができるエリアです。

でも、わざわざ標高848mの比叡山に登り、延暦寺に行く価値とは何なのでしょう?

今回は平安時代から発展した宗教都市「延暦寺東塔区域」の楽しみ方を紹介します。

1. 比叡山延暦寺東塔区域おすすめスポット7選!

1200年前から続く宗教都市を巡る旅。比叡山延暦寺東塔区域おすすめスポット7選!

比叡山は延暦7年(788年)、唐に行く前の最澄が建てた小さな寺院から始まります。そして平安時代末期から戦国時代末期にかけて、仏教の普及とともに僧兵を備え独立国家状態を形成。権力的に朝廷や武家と拮抗します。

ですが、織田信長の焼き討ち(1571年)と豊臣秀吉の刀狩令により僧兵は無力化、しだいに日本の権力構造から姿を消していくことになります。

この歴史的背景を知っておくだけで、延暦寺の寺院を立体的に楽しむことができます。なぜなら、比叡山延暦寺の多くの寺院は比較的新しいから。新しい理由が歴史の中に隠れているのです。



①根本中堂を屋根の高さから見学できるのは2026年まで
根本中堂
根本中堂

根本中堂は、最澄(767-822)が最初に日本天台宗の本山となる寺院を建てた場所。

2016年から2026年(予定)まで改修工事を行っています。大きな足場とシートで外観を覆われているため、全容を見ることはできませんが、中に入ると階段に上り2階の高さから寺院を眺めることができます。

根本中堂
根本中堂

工事中というのは知っていましたが、やはり最初は残念な気持ちに。1階のぐるりには地元の小中学生の書道が張られています。内部は2階以外撮影禁止。

靴を脱ぎ本堂を覗き込むと見えるのは、暗闇とお坊さんと蝋燭の火。



②学問祈願の文殊楼(もんじゅろう)
学問祈願の文殊楼(もんじゅろう)

文殊楼は受験合格・学問祈願ができる寺院。知恵をつかさどる文殊菩薩がまつられています。

激しく息切れをしながら急な階段を登ります。靴を脱ぎお堂の中に入ります。急な階段は気を抜けません。2階の小さい空間でぼくは、真剣に参拝しました。

なぜならこの文殊堂を建てた円仁は、延暦寺にとっても日本仏教の伝播という点においても欠かせない存在だから。

最後の遣唐使船に乗った円仁(794-864年)。彼は日本人による最初の本格的旅行記「入唐求法巡礼行記(にゅうとうぐほうじゅんれいこうき)」を記します。それは9年6ヶ月に及ぶ求法の旅でした。
同時に、最澄や空海が日本へ持ってこなかった経典を数多く持ち帰ることに成功。

円仁が日本で開山、再興した寺は関東に209寺、東北に331寺あると言われます。それはのちに山門派として日本仏教の中で展開していくことになるのです。



③商売繁盛祈願の大黒堂
商売繁盛祈願の大黒堂

受付を過ぎてすぐの広場にある大黒堂

商売繁盛のご利益があります。

織田信長が延暦寺を焼き討ちした13年後。豊臣秀吉は、僧兵を置かないことを条件に比叡山延暦寺の寺院建立を許可します。秀吉が生涯、信仰した三面出世大黒天がご本尊のお堂です。小さいですが親しみやすく、入りやすい。参拝者が多かったのが印象的でした。



④延暦寺の山頂で開運の鐘を鳴らす
延暦寺の山頂で開運の鐘を鳴らす

大講堂のそばに開運の鐘「鐘楼(しょうろう)」があります。比叡山に自分が鳴らす鐘の音が響きます。これは気持ちがよかった。料金は50円。

山中に広がる音は、気持ちいい。



⑤塔堂の醍醐味。長い階段の先の阿弥陀堂・法華総持院東塔
塔堂の醍醐味。長い階段の先の阿弥陀堂・法華総持院東塔

東塔の歩道は歩きやすく舗装されています。少し離れたところにある阿弥陀堂と東塔。長い歩道と長い階段を歩いていると「延暦寺に来たんだな」という実感が湧いてきます。

塔堂の醍醐味。長い階段の先の阿弥陀堂・法華総持院東塔

阿弥陀堂は、昭和12年(1937)の比叡山開創千二百年を記念して建てられた先祖供養のお堂。

法華総持院東塔

また、法華総持院東塔のご本尊は大日如来。塔内には仏舎利と法華経が安置されています。



⑥1200年前の仏像を目の前で見る。国宝殿
1200年前の仏像を目の前で見る。国宝殿

個人的には、東塔の中で最も心が動いたところ。
地下1階の静謐な雰囲気は圧巻です。1200年前から現在までの仏像や文書などが保管されています。

平安時代(9世紀)に作られた四天王立像を見ると、当時の人々の生死観がいかに豊かだったか、見えないものを見る力の強さを感じます。

五大明王像は鎌倉時代(13世紀)の仏像、釈迦如来座像(12世紀)、千手観音立像など、見事な仏像・仏画や文書が保管されている見るべきものが多い施設です。

入館料は500円、館内撮影は禁止。



⑦ひっそりと建つ偉大な戒壇院
阿弥陀堂に向かう道に、ひっそりと建つ戒壇院

阿弥陀堂に向かう道に、ひっそりと建つ戒壇院

小さいから大したことないだろう。行くのを止めよう、と思うくらい。

でも戒壇院の存在は日本仏教の歴史の中で、とても大きなものです。戒壇とは「戒律を授かり、出家者が正式な僧尼として認められる場所」のこと。

最澄が生きていた時代は、奈良仏教(南都仏教)の勢力が強く、僧侶になれる免許が与えられるのは日本で3カ所だけでした。(天下の三戒壇。奈良の東大寺、筑紫の大宰府の観世音寺、下野国の薬師寺)

戒壇院
戒壇院

最澄の死後、やっと大乗仏教専用の戒壇院「大乗戒壇(院)」が比叡山に認められることになるのです。

それがこの寺院。現存するのは延宝6年(1678年)の再建の建物です。

2. 比叡山延暦寺の始まり

比叡山延暦寺の始まり

比叡山延暦寺は、延暦7年(788年)最澄が建てた一乗止観院(いちじょうしかんいん)という小さな寺院が始まり。

東塔にある根本中堂の位置に、小さな「薬師堂・文殊堂・経蔵」を建てました。当時、桓武天皇は最澄に帰依。京都の鬼門(北東)を護る国家鎮護の役割を帯び、歴史的に大きくなっていきます。

そして延暦寺の一番の特徴は、長期的に数多くの優れた僧が育ったことでした。

3. 比叡山延暦寺の東塔区域へのアクセスを細かく解説

比叡山延暦寺の東塔区域へのアクセスを細かく解説

公共交通機関
京都方面から
約70分
・JR(京都駅下車)→比叡山ドライブバス(延暦寺バスセンター下車)→延暦寺
・京阪電鉄(三条駅下車)→比叡山ドライブバス(延暦寺バスセンター下車)→延暦寺
・京阪電鉄(出町柳駅下車)→叡山電鉄→叡山ケーブル→叡山ロープウェイ→シャトルバス(延暦寺バスセンター下車)→延暦寺

大津方面から
約40分
・JR(比叡山坂本駅下車)→坂本ケーブル→延暦寺
・京阪電鉄(坂本比叡山口駅下車)→坂本ケーブル→延暦寺


約25分:北白川別当町→→比叡山ドライブウェイ→比叡山延暦寺第一駐車場
約30分:名神高速京都東インター→比叡山ドライブウェイ→比叡山延暦寺第一駐車場
約35分:琵琶湖大橋→奥比叡ドライブウェイ→比叡山延暦寺第一駐車場

4. 巡拝時間(東塔地区)

3~11月 8:30〜16:30
12月 9:00〜16:00
1~2月 9:00〜16:30
※巡拝受付:閉堂の30分前まで

5. 令和2年3月から値上がり!巡拝料金

令和2年3月1日から大人個人の巡拝料金が、700円→1000円に値上がりします。
行こうと思っている方は、今年度中に。

東塔・西塔・横川共通券 700円
国宝殿(宝物館)拝観料 500円
※2019年7月時点の料金

6. 東塔区域の参拝にかかる時間は約2時間

東塔区域の参拝にかかる時間は約2時間

およそ150の堂塔が3つの地域に分かれる延暦寺。

その中で最も大きい東塔は、一番時間がかかります。数々の仏像・文書展示や企画展を行っている「国宝殿」も見る場合は、やはり2時間は確保したほうがよいでしょう。

7. 必須アイテム

天候の変化に対応できるよう事前準備を。日差しが強い時期はとくに、これらを持参すると安心です。

・日焼け対策(日傘、タオル、携帯できる水分補給)
・雨具(夏場は急に通り雨が降ることも)
・歩きやすく、滑りにくい靴
・着替え

8. 武力は武力に破れ、最初の教えだけが今もなお

武力は武力に破れ、最初の教えだけが今もなお

延暦7年(778年)に一乗止観院を建てた一年後、最澄は遣唐使船に乗ります。そして、4つの仏教思想(天台教学・戒律・密教・禅)を日本仏教に導入。

最澄が亡くなると同時に念願だった延暦寺での戒壇院が認められます。多くの優れた僧が育ち、仏教は広がり、僧兵は増え始めます。

平安末期から戦国末期にかけ、朝廷や武家から恐れられるほどの巨大な権力を手にした独立国家延暦寺。それは江戸時代を迎えることなく、織田信長の手によって幕を閉じました。

令和元年(2019年)7月の暑い日の正午。
数少ない60代の日本人が、西塔行きのバスを待つ延暦寺バスセンター。

遠くには蝉の声。


1200年前に最澄から始まった物語。
500年の栄華を誇った武力は別の武力に破れ、静寂の山中に最初の教えだけが今もなお残っています。


延暦寺が通過してきた激しい歴史の声に耳を傾け、国宝殿に眠る千手観音立像を思うとき、この世に生を受ける不思議を感じるのでした。



参考サイト
天台宗総本山比叡山延暦寺 公式サイト
延暦寺 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

島津

島津男性 | 30代

最近、カメラを購入し、撮影をはじめました。
休みの日は、子どもたちと一緒に近くの公園や喫茶店、イベントに参加。撮影の腕を磨く日々です。
コーヒーが好きな30代男性。京都在住。

最終更新日:2019.10.10

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