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コラム

日本仏教1200年の修練地。比叡山延暦寺西塔・横川のスポット10選!

日本仏教1200年の修練地。比叡山延暦寺西塔・横川のスポット10選!
【滋賀県 比叡山延暦寺 西塔・横川区域】

比叡山延暦寺の東塔区域を、仏教の総合大学と言うならば、西塔(さいとう)・横川(よかわ)区域は個人の研究所という感じ。とにかく山中を分け入り、ひとつひとつの寺院を黙々と巡ります。

個人的には、3つのエリアで横川が一番心惹かれます。山を登り、山道を分け入り、汗をかきながらやっと辿り着く寺院。1200年以上前から、ずっとこの地が大切にされてきたという実感は得難いものでした。

西塔・横川には、奈良・平安時代から続く濃密な時間が残っています。

1. 比叡山延暦寺の西塔・横川の濃密な寺院スポット10選!

比叡山延暦寺の西塔・横川の濃密な寺院スポット10選!

規模と整備・舗装の度合いで言うと

東塔>西塔>横川

の順番で整っています。

ですが、ドキドキ感・臨場感で言うと

横川>西塔>東塔

逆です。横川に向かうほど山道が増え、山中に突入していきます。個人的には、3つの区域で一番心惹かれたのは「横川区域」。

・観光客向けに整えていない
・今も修行されているお坊さん。その雰囲気と緊張感
・山中の修行地にいるという没入感

とくに山中に離れて点在する寺院とその道中。日本仏教に名を残す開祖がこの道を歩いていたと想像しながら歩く道は、鮮明に記憶に残ります。

なかなかたどり着かない日蓮聖人の修行地「常光院」や、突然の雨で雨宿りさせていただいた、無人の「元三大師御廟」

これらは、東塔区域(いわゆる比叡山延暦寺の窓口)では決して味わえない体験です。

①比叡山で最も清浄な聖域。浄土院(西塔)

比叡山で最も清浄な聖域。浄土院(西塔)

西塔の巡拝受付を反対方向に、長い道を10分ほど歩きます。

すると、伝教大師最澄(766-822年)が眠る御廟(ごびょう)が。今でもここで、最も厳しい修行が行われています。

比叡山で最も清浄な聖域。浄土院(西塔)
比叡山で最も清浄な聖域。浄土院(西塔)

懐かしく、ずっと居たくなる空間。
それ以外は何もない場所です。

②親鸞聖人修行の地。常行堂と法華堂(西塔)

親鸞聖人修行の地。常行堂と法華堂(西塔)

親鸞(1173-1263年)修行の地がここにあります。
親鸞は浄土真宗を開いた開祖。9~29歳の間、ここで修行しました。

急に現れる美しい苔

急に現れる美しい苔。その台地に立っています。

親鸞の青春時代の20年間が詰まった場所

親鸞聖人がここで修行を行ったと思うと、静かに感動してしまいます。
そして急に、人里離れた山頂にいることを思い出します。

親鸞は29歳で比叡山を下山し、現在の京都市にある六角堂へ。導かれるように法然上人のもとにたどり着くのですが、ここはその前夜、親鸞の青春時代の20年間が詰まった場所です。

③延暦寺最古の建築。釈迦堂(西塔)

延暦寺最古の建築。釈迦堂(西塔)

織田信長の比叡山焼き討ちのあと、豊臣秀吉が園城寺弥勒堂(大津市園城寺町)から移築。1595年のことです。延暦寺内のお堂・寺院で現存する最古のお堂。

敷地の広さが、歴史を際立たせています。

隣接する階段を登ると鐘楼

隣接する階段を登ると鐘楼が。

④山中に突然現れる相輪橖(西塔)

山中に突然現れる相輪橖(西塔)

釈迦堂の横にある細い山道を10分ほど登ります。
なかなかの山道です。

急な坂道を登っていると、突然、この塔が現れます。
自然の中に突如現れる人工物には不思議な迫力があります。

山中に突然現れる相輪橖(西塔)

相輪橖(そうりんとう)とは、仏教施設のひとつ。もともと五重塔の屋根の上に立てる部分なのですが、それを五重塔に見立てて最澄が作ったもの。現存するのは1895年に再建されました。

上部を相輪(仏塔の屋根から天に向かって突き出た部分)、下部は柱(橖)、中に写経を納めています。820年に最澄が建立したこの相輪橖(そうりんとう)が始まりと言われています。

⑤法然修行の地。黒谷青龍寺(峰道)

西塔にも横川にも属さない黒谷にあるお寺。第18代天台座主の良源(912-985年)が開き、法然(1133-1212年)が修行しました。

ここへアクセスするには、西塔と横川の間にある「峰道(みねみち)」で下車し、30分ほど歩く必要があります。時間的に今回は行けませんでした。でも、延暦寺の3区域を巡った結果、ここは行って見たかったと思うし、次回はここに行きたいと思う場所です。

⑥第3代天台座主の円仁が開いた空間。横川中堂(横川)

第3代天台座主の円仁が開いた空間。横川中堂(横川)

唐から帰国した円仁(794-864年)が建てた寺院が発祥となった横川区域。

横川中堂は、崖に赤く立つ舞台づくり。山中の傾斜に大胆に基礎を建てている迫力。ここで写真を撮ったら何でも絵になるようなドラマチックな場所です。

第3代天台座主の円仁が開いた空間。横川中堂(横川)

第18代天台座主の良源(912-985年)は、当時には荒れていた中堂を再建します。良源は10世紀の延暦寺を支え、発展を進めた人物です。

1942年、旧堂は落雷で焼失してしまいます。
現存する横川中堂は1971年に再建されたものです。

⑦おみくじ祥の地。元三大師堂(横川)

おみくじ祥の地。元三大師堂(横川)

おみくじ発祥の地としても有名なお堂です。
特有の手順のおみくじを申し込むこともできます(要予約)。

おみくじ祥の地。元三大師堂(横川)

おみくじを作ったのは良源(元三大師)と言われています。
良源は決して高い身分ではなかったのですが、座主になると寺院の火災復興を進め、根本中堂を大規模に再建、寺院内部の規律を定めたり、弟子も多く、厄除け大師とも呼ばれました。

おみくじ祥の地。元三大師堂(横川)

途中、会話が多い仲の良い父子とすれ違いました。
でも他には、誰とも会いませんでした。
横川はどこよりも静かです。

⑧日本の浄土信仰の起源。恵心堂 (横川)

日本の浄土信仰の起源。恵心堂 (横川)

横川中堂から少し離れています。
神聖で爽やかな雰囲気。光がとてもきれいで、また来たいと思わせる優しさがあります。

現在のお堂は、比叡山の門前町である坂本の生源寺「別當大師堂」を移築したもの。

日本の浄土信仰の起源。恵心堂 (横川)

ここは源信(942-1017年)の修行の地です。

源信は全3巻からなる「往生要集(おうじょうようしゅう)」を完成させ、のちの法然と親鸞に影響を与えた浄土宗の開祖。往生要集とは、往生(現世を去って仏の浄土に生まれること)についての重要な箇所を、10章約900条に体系化した書物です。

私たちが今も思い描く地獄のイメージは、ここから始まったと言われます。

⑨日蓮の修行の地。常光院(横川)

日蓮の修行の地。常光院(横川)

常光院に行くのが一番疲れました。

かろうじてアスファルトの階段はあるのですが、長く険しい下り坂が続きます。到着すると、そこには崖を切り崩して建てたような細長い敷地と寺院が。

冬はとても寒そうです。

タフな山道の往来だからこそ、参拝した充実感はどこよりもあります。

日蓮の修行の地。常光院(横川)
日蓮の修行の地。常光院(横川)

日蓮(1222-1282)が1243~1254年まで間、修行の拠点とした寺院です。

⑩ひっそりと鬼門にたたずむ元三大師御廟(横川)

ひっそりと鬼門にたたずむ元三大師御廟(横川)

ここで急に大雨が。
少し雨宿りをさせていただきました。

ひっそりと鬼門にたたずむ元三大師御廟(横川)
ひっそりと鬼門にたたずむ元三大師御廟(横川)

比叡山の北東の最先端に位置するこの場所にある良源の御廟(墓所)。鬼門の中の鬼門に立ち、元三大師が都を守ってくださっています。

2. 比叡山延暦寺の西塔・横川の起源

比叡山延暦寺の西塔・横川の起源

最澄が眠る西塔
第2世天台座主の円澄(772-837年)が開いた釈迦堂を中心とするエリアです。浄土院(最澄の御廟)や数々の高僧(法然、親鸞)が修行を行ったところで東塔から1kmに位置します。

鎌倉新仏教の開祖たちが修行した横川
横川は第3世天台座主の円仁(794-864年)が開いた横川中堂が中心の山深い地域です。良源、源信、道元、日蓮が修行を行いました。西塔から、さらに4km北に進みます。

3. 比叡山延暦寺の西塔・横川へのアクセス

比叡山延暦寺の西塔・横川へのアクセス

ぼくは一日フリーパスを購入(1000円)しました。

その経験から言うと、徒歩はあまりおすすめしません。それくらい3つの区域は離れているし、巡拝時間の16時はけっこうすぐに迫ってきます。バスはおおよそ30分間隔での利用になるので、車の方が効率よく移動できるでしょう。

西塔
シャトルバス:東塔から5分、横川から10分
徒歩:20分

横川
シャトルバス:東塔から15分、西塔から10分
徒歩:100分以上(東海道自然歩道)

4. 要注意!西塔・横川の巡拝時間は東塔より30分ずつ短い

要注意!西塔・横川の巡拝時間は東塔より30分ずつ短い

西塔・横川は、巡拝開始時間も終了時間も東塔より30分ずつ短いです。余裕を持った計画を。

3~11月 9:00〜16:00
12月 9:30〜15:30
1~2月 9:30〜16:00
※巡拝受付:閉堂の30分前まで

5. 令和2年3月から値上がり!巡拝料金

令和2年3月から値上がり!巡拝料金

令和2年3月1日から大人個人の巡拝料金が、700円→1000円に値上がりします。
行こうと思っている方は、ぜひ今年度中に。

東塔・西塔・横川共通券 700円
※2019年7月時点の料金

6. 西塔の参拝所要時間は1~2時間。横川は1~3時間

東塔巡拝のあとであれば、西塔や横川は疲れを感じるところでもあります。時間はゆったり確保しましょう。

西塔区域
メインの釈迦堂から離れたところにある「相輪棟」や「弥勒石仏」にも行くのであれば、2時間は確保したほうが安心です。それぞれ釈迦堂から片道10分くらいかかります。でも、メインの浄土院やにない堂、釈迦堂だけであれば1時間あれば充分回れます。

横川区域
中心的寺院は横川中堂とその周辺。ここまでなら1時間以内で駐車場に戻れるでしょう。また、横川は感覚的には「山登り」に近いため、靴や服装を準備しましょう。

それ以外の寺院にも行きたいときは、2時間前後。全部巡りたいとなったら、もっと時間は必要です。

7. 天気予報と歩きやすい靴は必須

天気予報と歩きやすい靴は必須

天気予報をチェックし、天候の変化へ対応を。

ぼくは実際に、横川の山中を歩いているときに30分ほどの大雨に降られました。雨具を持参していなかったので、寺院で30分間ひとりで雨宿り。

また、西塔・横川の道はほぼ土と思ったほうがいいです。遠くに行けば行くほど、山道になっていきます。

・天気予報のチェック
・日焼け対策(日傘、タオル、携帯できる水分補給)
・雨具(夏場は急に通り雨が降ることも)
・歩きやすく、滑りにくい靴
・着替え

8. 簡単に言葉にできない。心に残る時間

簡単に言葉にできない。心に残る時間

短時間で見て回りたい方 西塔・横川で行った方がいいという5つのスポット。駐車場から近いので比較的かんたんにアクセスできます。

西塔
①浄土院
②釈迦堂

横川
①横川中堂
②元三大師堂
③恵心堂

西塔・横川を楽しみたい方
西塔と横川。それぞれの区域でも一日は楽に過ごせます。
たっぷり時間を確保し、旅の前と後で事前調査をしておくことをおすすめします。なぜなら、自分がまるで日本の仏教史に参加しているような、日本人だからこそ感じることがそこにあるから。

それは、簡単に言葉にできない体験です。

今でも心に残る、得難い時間が動いています。



参考サイト
天台宗総本山比叡山延暦寺 公式サイト
延暦寺 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

島津

島津男性 | 30代

最近、カメラを購入し、撮影をはじめました。
休みの日は、子どもたちと一緒に近くの公園や喫茶店、イベントに参加。撮影の腕を磨く日々です。
コーヒーが好きな30代男性。京都在住。

最終更新日:2019.10.10

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